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お金と時間と体力

犬を家族に迎えるときに、決して忘れてはいけないのは、犬を育て、最後までお世話をするというのは決して愛情だけでは務まらないということです。

お金
犬は、私たちと同じ命ですから、ご飯を食べなければ生きていけませんし、食事をすればうんちやおしっこだってします。
また、私たちと同じように、時に体調を崩したり、ケガをしてしまい病院へかからなくてはならないこともあります。
毎日共に生活するのですから、身の回りをキレイにしたり、気持ちよく健康に過ごせるようにお風呂に入れたり爪を切ったり、耳掃除をしたり、必要な場合はトリミングに連れて行くこともあります。
そのためにはやはりお金がかかります。

たとえば食事。
身体は、食べたもので出来ている。
これは、私たちもほかの生き物もみんな同じです。
大切な家族がみんな元気に笑顔で過ごすには、まずはどんなものを口に入れるかが本当に大事なことなのだと思います。

最近では食材からしっかり選んで、手作りごはんを作っているお家も増えてきました。
病院でも、手作りをすすめる先生もいます。

また、ドッグフードも昔と比べると本当にいろんな種類があり、選べるようになりました。
使っている食材もさまざまですし、値段も大きく違います。
さすがにひとつひとつ工場へ行って原材料をチェックすることはなかなか難しいので出来ないと思いますが、それでもやっぱり大切な家族の口に入るものですから、出来る範囲でのチェックはしっかりしたいですね。
なかなか扱っている店舗は少ないですが、オーガニックの食材を使ったものや、無添加のものも選べるようになりました。
でも、そういったごはんを食べさせてあげるためには、やっぱりお金がかかります。

医療費も。
犬も、体調を崩したり、ケガをしてしまうことがあります。
言葉で表現することができないこの子から、どこがどう痛いのか、どんなふうに調子が悪いのかを知るのは難しく、どうしても病院へかかることになります。
その治療費は、保険に加入していなければもちろん実費なので、1回の診察で1万円を超えることも多く、何度も通わなければならない場合にはかなりの負担になります。
最近は保険に加入するお家が増え、その負担は以前より軽くなっていますが、大きなけがや病気、誤飲などで入院や手術となると、やはり何十万と、大きな金額が必要になることもあります。
また、医療費は治療のためだけでなく予防の為に必要なお金もかかってきます。

考えていなかったこんな出費も。
汚れ物が増えて洗濯の回数が増えたり、犬は暑さや湿気に弱いので、夏はエアコンがつけっぱなしになったりすることで電気代や水道代が高くなります。
また、「抜け毛が想像を超えた」という人も多く、掃除道具(コロコロ)などの消費量が意外とかかるようですね。
また、自分たちでどうにかなると思っていたしつけが思うようにできなくて、トレーナーさんにお願いしたり、しつけ教室に通ったりするお家もかなりあります。
そういった費用も頭に入れておかなければいけませんね。

日常的に必要な、ごはんやトイレシートなど。ときどき必要なトリミングやおもちゃ、突然必要な医療費やホテル代などこうして考えてみると、やっぱりお金はかかりますね。

家族に迎えてしまってから「こんなにお金がかかるなら…やっぱり…」なんてことは出来ません。
しっかりとリサーチして考える必要がありますね。


時間
犬には、私たち人間と同じように「共に過ごす時間」が必要です。
楽しかったり、嬉しかったり、悲しかったり…時には怒ったり。
そういった気持ちを共有することの幸せを、犬は必要としていると思います。

朝と夕方お散歩をして、ご飯をあげるだけ…というのは、まだ私たち人間が「犬」という動物についてよく知らなかった時代の考え方なのではないでしょうか。

犬は、私たちと共に過ごす時間、気持ちを共有する時間が長いほど、またスキンシップやコンタクトをたくさんとることなどで、時に何百何千という数の言葉を理解するとも言われています。
それは、人間の2、3歳児と同程度だそうです。

実際、我が家でもお互いに考えていることの6~7割くらいが分かります。

お互いにそうやって理解しあえるようになってくると、まるで小さな人間の子供のように、こちらの様子をうかがってふざけてみたり…わざと大柄な態度をとってみたりして、2人で笑っちゃったり、私が彼を傷つけてしまったら、「ごめんね」と言うまで固まって動かなくなってしまったり・・・。1日1日が、1分1秒が、本当に楽しかったり、幸せだったり、大切だったりと思えてきます。
別のページにも書いたのですが、1日の大半をひとりぼっちで過ごしたり、鎖でつないでわずかなスペースでしか生活ができないような毎日を過ごすことになるようなら、今は迎えるタイミングではないのではないかと思います。

また、赤ちゃんの時期もそうですが、年をとったときのことも考えなくてはいけません。
これは我が家でもあったことなのですが、今までしなかったのに、ティッシュをたべてしまったり、靴下を飲み込んでしまったり…ゴミ箱をあさったりするようになりました。
ごはんを食べても、また少しすると「お腹すいた」と言いにくるようにもなりました。

今まで何でもなかった段差でつまづいて足を痛くしてしまったり、階段を上がれなくなってしまったりもしました。

何度か倒れて、一方向にくるくる回ることしか出来なくなってしまったり、嘔吐が止まらなくなってしまい、原因がわからず何時間もかけて検査をしに行くこともありました。

とてもひとりにさせられない状態でした。

一緒に過ごす時間は楽しいことばかりじゃありません。こうした時間必要になるかもしれないということも、しっかり考えておかなければいけませんね。


体力
犬を家族に迎えるのに、もうひとつ大切なのが体力です。

犬と共に生活をするということ、お世話をして育てるということにお休みはありません。
雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も…ごはんを楽しみにしているし、お散歩だって行きたいのです。
寝不足の朝も、二日酔いの日も、熱があっても、恋人にフラれても…やっぱりお腹を空かせているし、「おさんぽいくよ」を楽しみにしているのです。

どんな日も例外なく…は結構大変です。

また、その犬の性格や体質や大きさによって運動量も異なります。


そして、年をとった時の介護も、ものすごい体力が必要になる場合があります。特に中型、大型、超大型となるとほとんど人の介護と変わらないくらい、もしくはそれ以上に大変かもしれません。

抱えて階段を上り下りしたり、寝たきりになれば数時間おきに体の向きを変えてあげたり。
おむつを取り替えたり、ご飯を食べさせたり。

夜中中鳴いていることもあります。

別のページにも書きましたが、家族に迎えたその子の10年後15年後と、私たち自身の10年後15年後をしっかりと考えて、本当に最後までお世話することができるのか、その責任の重さを家族で話すことも大切ですね。

「病気だと言われたが、治療費が払えないから」
「職場が変わって、世話をする時間がない」
「年をとり、番犬にならなくなった」
そう言って、保健所へ犬を置いて行く人たちがいる。

病気になることだってある。
手がかかることだってある。
年だってとる。

それは私たちだって同じです。

「命」とはそういうものです。

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